スタッフたちがヘアスタイルの“今”を予測する、
大人気企画もついに第10弾♡
2025年秋冬のテーマは……
「動物たちからのインスピレーション」
ふわふわ、くるくる、ツヤツヤ…。
質感やカラーなど、ヒントはぜんぶ“動物たち”!?
メイクのトレンドと合わせてお届けします。

プロフィール画像:前原穂高

前原穂高

Violet代表

ヘアの流行を牽引するトレンドセッター。 TV、動画メディア、WEB、雑誌など様々な媒体で旬のスタイルを提案し続けている。
プロフィール画像:MANAE

MANAE

Violet店長 / メイクアップアーティスト

透明感のあるカラーリング、やわらかく見せる流れなど、ファッションとも親和性の高い質感調整を得意とする人気スタイリスト。

プロフィール画像:内田圭悟

内田圭悟

Violet クリエイティブスタイリスト

小顔ヘアを実現する顔周りの繊細なカットに定評あり。似合うヘアを探している女子からの支持多数!

プロフィール画像:雨宮愛美

雨宮愛美

Violetスタイリスト

お客様に寄り添った提案でファン急増中。サロンのファッションリーダー的存在。
プロフィール画像:AIRI

AIRI

Violet Aimée スタイリスト

トレンド会議S/S から引き続き選抜。短めバングがトレードマークの期待の若手スタイリスト。
プロフィール画像:嶋彩芽

嶋彩芽

Violet アシスタント

とにかく明るくて、スタッフからも愛されるムードメーカー。技術も知識も勉強中!トレンド感度も高めです◎

MANAE

今回も2025 年AW のトレンド会議がはじまりました!みなさん、それぞれ作ったスタイルを教えてください。
僕が提案したのは、ミディアムレングスで動きたっぷりのボリュームヘア「ダッフルカール」です。ふわふわモコモコした質感で、季節感も愛らしさも抜群!全体の印象としても“動きのあるデザイン” を皆さん提案してるんじゃないかな!?

内田

私は「フォクシーレイヤー」」という、キツネのしっぽをイメージしたレイヤースタイルを提案しました。内田さんの“ボリュームカール系” とはまた違って、私はストレートタッチで仕上げてみました。トレンド性はもちろん意識しつつ、「スタイリングのしやすさ」にもこだわりたくて。パキッとストレートだけど、毛先にはしっかり動きが出る。そんな“扱いやすさ×洒落感”の両立を目指しました♡
私は、短めボブスタイルの「ピヨヘア」を提案しました♡今後、長めレイヤーから髪を短くする流れが来るんじゃないかなって思っていて…そのきっかけになるようなスタイルを目指しました。くるくるピヨピヨさせる毛流れが推しです♪

AIRI

MANAE

ストレートとくるくるぴよぴよ!真逆の提案だけど、どっちも流行るのかな?
私はどちらかというとAIRI派!最近、くびれ巻きに少し飽きてきたお客様も増えている印象なので、そんな方にぴったりな提案として「モヘアカール」をつくりました。ふわっと空気をふくむようなやわらかな質感で、“巻きの新しい選択肢” としてもおすすめです♡

雨宮

前原

僕は、顔まわりにしっかり動きをつけた“前上がりボブ”。ライオンのたてがみみたいに、もしゃもしゃっと毛が顔にかかる感じが、今すごく可愛いなと感じていて。とくに、毛束がフォワードにかかるようなスタイルは、自分自身がいまいちばん推しているバランスです。姫カットやレイヤー人気の流れも踏まえて、今回は「フェイスフレーム」にこだわって、“顔まわりの揺れ” で洒落感を作りました!
私は、(雨宮)愛美の「モヘアカール」に近いニュアンスのスタイルで「柔髪」です♡髪質がかたい方でも、やわらかく魅せられるように計算して作ったスタイルなんです。ベースは26 ㎜のコテで仕込んだ、フォワード寄りのやわらかな動き。どこか(前原)穂高さんの提案する「フェイスフレーム」に通じる要素があるかも。

MANAE

私のスタイルもフォワード巻きですよ。さらに、外ハネもあることがポイント!少し前に、内巻きワンカールが“簡単なのにかわいい!” って、インスタやTikTok で話題になりましたよね。でも 実は…外ハネも、同じくらい簡単でめちゃくちゃかわいいんです♡
なるほど~。愛美が提案するスタイルも前髪含め、 遊ばせてる感じだよね?どうやってつくるの?

MANAE

雨宮

お客様によってはパーマをおすすめする場合もあるけど、いくつか毛束をとってコテでワンカールすれば簡単につくれますよ。コテは18mm がおすすめです♪
最近は細めのコテがでていますよね。みなさんは、使ってますか?

MANAE

前原

細めのコテって、可愛いけど…やっぱりお客様が自分でやるには難しいし、手間もかかるよね。かと言って、パーマなら簡単かっていうとそうでもないし、ダメージを気にされる方も多い。…だか らこそ、レングスは“短め” が正解!扱いやすさもあるし、万が一ダメージが出たとしても、切ることでリセットしやすい。セルフでも楽しめるおしゃれ髪として、“ショート~ボブ” ってやっぱり優秀です。
なるほど!

MANAE

前原

とは言っても、短めレングスがトレンドになるとは限らないと思うんですよね。今は、ロングでいたい子はちゃんとロングだし、“流行っているから切る” っていう単純な流れではない気がしていて。韓国ブームも落ち着いてきて、次の大きな波に移る“狭間” にいるような、そんな自由さを感じます。今回僕が提案したボブは、クセ毛風のハネがポイントなんですけど、あれは実は他のレングスでも再現できる。今だからこそ、“自分らしく遊べる” スタイルが正解かも。
いい時代!自分に似合うものを選べるってことですね。

MANAE

MANAE

みなさん、カラーのトレンドはどうですか?けっこうバラバラでしたよね。
最近、髪のお手入れを頑張っている女の子がすごく多い印象です。だからこそ、ちゃんとケアができた上で、次の一手として“全体ブリーチでハイトーンへ” 進む流れが来そうだなって。お手入れの継続をベースに、赤みを消した透明感カラーで、キレイなハイトーンを楽しめる時代になってきていると思います♪

AIRI

私は、逆に暗髪派です。もちろんハイトーンも可愛いと思うんですけど、仕事事情や髪質によって 選びづらい方もいますよね。だからこそ私は、“赤 みをほんのり残した暖色系の落ち着いたカラー”に注目しています。さりげなくツヤも出て、柔らかく見える暗髪って、実はすごく洒落てるんです♡
僕はデザインカラーがくるんじゃないかな、と。今でもお客様のオーダーで増えている感触があるんです。髪質改善が当たり前になっているなかで、僕が変化を期待しているという気持ちもあるけど(笑)、レイヤーデザインに抵抗がなくなり動きのあるスタイルになるなかで、シークレットハイライトやコントラストハイライトとはまた違う、ベースとの差をあまりつけない、ぼかすように入るカラーになるんじゃないかな。ある意味新 しいデザインです。

内田

MANAE

同感です!私もデザインカラーが流行ってきてほしいなという気持ちもあるし(笑)、髪のケアを頑張っていたお客様たちが、“黒髪にちょっと飽きてきたかも” っていう傾向を最近すごく感じて いて。だからこそ今回のスタイルには、じわじわ注目されている“デザインカラー” を落とし込んでみました♡動きと質感を引き立てるような、ニュアンスのある色味で、しっかりおしゃれを楽 しめるように仕上げています。
う~ん… “デザインカラー” って、正直なんでも呼べちゃう感じありますよね(笑)。でも、一色じゃない色で魅せるカラーって、今ほんとにきてる!バレイヤージュも人気だし、今っぽい陰影の付け方が可愛いなって思います。ちなみに「ハイライト」って呼んじゃうと、ちょっと“昔の感じ” しない!?

前原

MANAE

わかります!時代によって呼び方もアップデートしないと…ですよね。

MANAE

みなさん、スタイリング剤はどうですか?
秋冬って乾燥する季節だから、正直「スタイリング剤なし」はないと思うんですよね。潤いをキープするためにも、ベースでつけるものってやっぱり大事。僕が提案した“短めレングス” でいうと、結局のところ使いやすいのは「バーム」じゃないかなって。作り込まずに、ささっと仕上げる感じ。シンプルなのにちゃんとお洒落。

前原

AIRI

私もバームです!柔らかい感じを作るのにちょうどいいし、保湿もできるし!
私は、“オイルスフレ” 派です♡やわらかさはしっ かり欲しいけど、巻きがだれちゃうのもイヤだし、濡れすぎる質感はちょっと違うなって思ってて。だから、ふんわり感とキープ力のバランスが取れるスタイリング剤がちょうどいいんですよね。バームも使いやすいと思いますよ♪

雨宮

束感やセット力を考えるとバームが使いやすいですよね。
同感です!バームに一票!

内田

MANAE

お客様におすすめするなら、どんなバームがいいですか?香りかな?
香りはちゃんと欲しいけど、邪魔はしてほしくないんですよね。香水みたいに強すぎるのは求めてなくて、SHIRO が狙ってるくらいの、やわらかくて透明感のある香りが理想。前に流行ってたシーブリーズの石鹸系の香りとか、まさにそんなイメージ。スタイリング剤って、“つけてるときにちょっとテンション上がる”くらいの香りがあると、使うたびに気分も整って嬉しいなって思います! MANAE さんはどう思いますか?

前原

MANAE

私は、ソフトドライな質感のスタイルを提案していますが、お客様はそのドライ感が気になるとおもうので、ツヤ感がでるスタイリング剤が求められるんじゃないかな、と。最近出ているのはオイルジェリーのような質感で、束感はそこまででないけど、ツヤとのバランスがいいものがあるんですよね。
そうそう、ミルボンが出している、欧米人の細髪向けスタイリング剤シリーズがすごく良くて!スタイリング剤なのに、つけた感じが全然しなくて…でも、ちゃんとまとまるんです。パウダー入りのクリームタイプで、ほんのりウェット感がある仕上がり。たとえるなら“夜12 時くらいの髪” って感じ(笑)。オール明けのベタつきじゃなくて(笑)、ちょうどいいまとまりと空気感が残ってる、そんな絶妙な質感!

前原

内田

いろんなタイプがありますよね。ジェミールフランのオイルスフレみたいなちょっと軽めでボリュームをコントロールしつつ、キープができるっていうのもいいなと思います。
こちらもパウダー入ってるよね。わざとちょっとパサつきが出る感じで、プラスオイルのウェット感があってバランスが絶妙。

前原

MANAE

いずれにしても、何かしらツヤ感、ウェット感がある方が良さそうですね!

MANAE

では、メイクのトレンドはどうでしょう??
SNS 上でじわじわきているモカムースメイクが加速する予感がします!秋冬らしくスフレみたいなセミマット質感に、パウダーでツヤ感をちょい足ししました。

雨宮

AIRI

アイシャドウはオレンジブラウンをベースに、マスカラはオレンジ!目頭にポイントで黄色をオン♡チークはたっぷり入れて、全体をフレッシュに仕上げました。
愛美さんに近いブラウンベースの暖色系メイクです♡モデルさんのお顔立ちが綺麗なので、ハイライト&シェーディングでさりげなく立体感を。やりすぎない引き算バランスを意識しました。

MANAE

私はアイラインをリキッドのまま終わらせない、リップラインもしっかり描かない“ぼかす” メイクがいいんじゃないかなって。最近は大粒ラメが流行っていましたが、そろそろ落ち着くはず!だからマット系へシフトしつつ、チークはしっかり♡ブラウンオレンジでまとめています。
ブラウン系メイクを意識した提案が多いですね!僕のテーマは「素材美」。ペンシルでそばかすを足して抜け感を演出。やりすぎない“ナチュラル+ちょっとの遊び” が、季節的にもぴったりだと思います◎

内田

MANAE

今回の衣装はブラウン系が多い印象ですが、秋冬のトレンド予測はどうでしょうか?
レザー素材が流行ると思います!でも、黒だと強すぎるイメージになるのでブラウン系がちょうどいいかも。夏から流行っているレースやウェスタン調のデザインは継続して流行りそう!

AIRI

レースは遊び心があるよね。秋冬感のあるウール素材もいいと思います。
レザー素材はすごく流行る気がする!一時期流行ったライダースとか。当時の流行そのままではなく、今年調にアップデートした感じにね!

前原

雨宮

スクールデザインも流行ってきてるし、丈もどんどん短くなっているから、甘さと辛さがミックスした感じになるんじゃないかな。
今回の衣装も短いものが多かったよね。最近は、トップスはタイトにしてへそ出ししつつ、大きめパンツスタイルが増えてきているよね。全体的には“可愛い見せ方”に移行するのかな。

MANAE

前原

“可愛い” ってひとことで伝えると、ちょっと甘く転がりすぎちゃうこともあるから、そこは“オシャレ前提” で考えるのが大事。ロングに可愛い要素を足すときも、すべてふわふわにすると甘すぎる印象になる。だからこそ、ヘアには抜け感を持たせたり、メイクでアイラインをしっかり引いたり、まつ毛をきちんと仕上げたり…そうやってバランスをとることで、もっとオシャレが楽しめると思う。僕たちは、お客様にちゃんとそのニュアンスまで伝えられるような、説得力のある提案をしていかないと…だよね。
バランスはすごく大事ですよね。パーソナルカラーを意識しているお客様も多いので、ちゃんとイメージを汲み取って提案できるようになるのも課題ですよね。さぁ、2025 年の秋冬はどんなト レンドになるのでしょう!?楽しみですね。

MANAE

Photo: Maho Terada
Styling: rinrin
Movie: YUTA NAKAYAMA
Text: Hana Okamoto
Composition: Hiyoko Kamakura