前原穂高
Violet代表
ヘアの流行を牽引するトレンドセッター。
TV、動画メディア、WEB、雑誌など様々な媒体で旬のスタイルを提案し続けている。
美容トレンドを掴み、作り、発信していく
Violet先鋭スタッフたちがヘアスタイルのトレンドを
予測する大人気企画の第7弾！
トレンドのキャッチアップ方法も公開します♪
MEMBER PROFILE
浅沼雄元
Violet‘Jem代表／Violetトップスタイリスト
ロングヘア、韓国ヘアなど、フェミニンなスタイルを得意とし、サロンワークはもちろん、業界誌やファッション誌などでも指名多々。
MANAE
Violet副店長/トップスタイリスト
兼メイクアップアーティスト
女性ならではの目線で、透明感と柔らかさのあるカラーや毛流れの、ファッションとも親和性の高いヘアが得意。美容知識の高さでも支持を集める。
RUI
Violet Aimèe 店長
韓国ヘアを得意とし、月300人以上の女子たちのヘアチェンジをサポート。意識の高い横浜の女性たちから信頼される人気スタイリスト。
若井友紀
Violetクリエイティブスタイリスト
顔まわりにとことんこだわり、忙しい人にもパッとまとまるスタイルやノーセットでおしゃれにキマるヘアの提案が得意。
ママ美容師として活躍中！
雨宮愛美
Violetアシスタント
Violetトレンド会議第7弾、最年少参加者。MANAEの直属アシスタントで、技術とセンス、そして女子力を磨いている。
INDEX
穂高
2024年SSのトレンド会議をはじめましょう。今回もかわいいスタイルがたくさんできましたね！まずはひとりずつ提案したスタイルを教えてください。
僕が提案する「入れっぱなしレイヤー」は、ストンとおろすことが多かったストレートヘアに大胆な段をいれて、今までとは違う動きがだせるスタイルにしました。ここ数年でストパーも進化して、ストレートにするお客様も増えてきているので、このままストレートトレンドは加速していくと思います。
浅沼
MANAE
かわいい♡すごく流行ると思います！
少し前までは内巻きが主流だったボブも、今は直線的なラインをだす「切りっぱなしボブ」に変化しているから、ストレートにも変化があるかもしれないですね。
浅沼
穂高
毛先についているのはラメ？
はい。切りっぱなしボブってスタイリング剤をつけて質感をつくるからこそオシャレになるじゃないですか。レイヤーにこだわってストレートヘアを作っても、そのままだと良さが伝わらないと思って毛先にグリッターをつけて動きが分かるようにしたんです。
浅沼
穂高
同じスタイルであっても、スタイリング剤次第で一気におしゃれに見えることってあるよね。
質感がウエットかドライかだけではなくて、ラメ入りだったり、光を浴びると光沢が出たりと、スタイリング剤にも幅がより広がってくるんじゃないかなと思っています。
浅沼
愛美
私も浅沼さんと同じくレイヤー推しです。最近さらに流行ってきているので、そのレイヤーを変えずにスタイリングで遊べる「フリルレイヤー」を提案しました。胸元で揺れる軽さがある毛先は、春夏のファッションにも合いますよ。
私はストレートや毛先が薄いスタイルに飽きてきた子たちもでてくるんじゃないかと予測して、レイヤーを入れつつもちょっぴりふんわりさせたフェミニン系スタイルをセミディくらいの長さでつくりました。
MANAE
穂高
MANAEさんの推しは前髪で、「キャット バング」がテーマだよね。キャットというのは猫…？どんな前髪なのかな？
はい、流行のワイドバングを進化させた「キャット バング」は、前髪の端が耳みたいにピョンとハネているのがポイントです♪
MANAE
RUI
僕も、前髪推しで「ファジー バング」をつくりました。曖昧って意味をもつ“ファジー”を意識して、ふわふわ綿毛みたいに繊細なデザインを顔周りにつくったスタイルです。
Ruiくんは、すでにお客様にも提案しているんですよね。
穂高
RUI
はい、前髪がない方にも提案できるので、お客様に合わせたファジーバングをつくっています。マスクを外す機会が増えて目元にポイントを持っていきたい方が多いので喜ばれてます。
なるほど。若井ちゃんも前髪推しだよね？企画書を見た時に、これは絶対可愛いだろうなって思いました！
穂高
若井
ありがとうございます（照）。私が提案する「インカールバング」は、前髪を大胆に内側にカールした前髪がポイントです。パリコレを参考に情報収集した時に、今季はクセ毛を生かしたスタイルが流行りそうなのですが…これってあくまでも欧米人の方に似合うスタイルなので、そのまま髪質が違う日本人に提案するのはNGかなと思いました。そこで、お客様の悩みでも多い、ぱっくり分かれてしまう前髪をあえて生かすスタイルにしました。
みんなイロイロ考えましたね！僕がイチオシのトレンドヘアは「ハッシュロング」。一年前ぐらいに“ハッシュレイヤー”という韓国のウルフカットが流行りましたよね。最近では、顔周りにしっかりレイヤーを入れるロングスタイルが流行っているので、これからは後ろまでレイヤーを入れるんじゃないかな、と。でも、過去に流行ったようなしっかりしたレイヤーを後ろまで入れると古いスタイルになるので、後ろの表面だけレイヤーを入れて、下はそのまま残しました。
穂高
MANAE
穂高さんがつくったスタイルは、海外のお客様からよくオーダーされます。毛先が薄くてトップがマッシュっぽくなっているクラゲちゃんスタイルを参考画像として見せてもらうことが多いんです。じわじわ流行ってきている感じがしますね。
穂高さんもレイヤー推しなんですね。
浅沼
穂高
そう。今日は前髪をテーマにした人が3名、レイヤーをテーマにした人が3名。キレイに分かれたんだよね。
私は前髪テーマにトレンド予測しましたが、レイヤーも流行るなって思っています。正直なところ、どちらも流行ると思うんですよね。
若井
穂高
最近の前髪トレンドの傾向は、まっすぐストンとおろすスタイルが圧倒的に多いのと、あとはちょろちょろっとおろすスタイルがあるよね。レイヤーに合わせるとしたらどんな前髪がおすすめかな？
最近では、ワイドバングが多いなと感じています。
愛美
MANAE
今までの韓国ヘアは前髪をサイドに流していたけど、マスクを外し始めた頃から前髪を作りたい女の子が増えてきました。そこでツーウェイバングが増えてきて、さらにサイドの薄さをカバーするために調整して…と、結果的に今ワイドバングが人気の流れになったんだと思います。
ワイドバングかぁ。目の横の余白が大きければ大きいほど、肌色部分が多く占めるので顔が大きく見えちゃうんですよね。だから気軽にできるスタイルというよりも懸念する人はいるかもしれないけど、それはどうかな？
穂高
愛美
セミロングやミディアムぐらいの長さはスタイリングしやすいし、トレンドのファッションともマッチしやすいので、いいんじゃないかなと思います。
うれしい♡肌の部分を埋めてくれるから小顔要素もあっておすすめですよ♪
MANAE
穂高
どんなトレンド要素も顔に似合わせながら入れることができるのがベストだよね。
穂高
レングスはどうかな？若井ちゃんは短めヘアが基本的に流行る予測？
短めだったらボブ。長くてもミディアムかセミロングぐらいかと思っています。
若井
愛美
セミロングやミディアムぐらいの長さはスタイリングしやすいし、トレンドのファッションともマッチしやすいので、いいんじゃないかなと思います。
ちょうど今の愛美くらいってことだよね。ちなみに、巻くのかな？
穂高
愛美
今はストレートですけど、春夏に向けて巻くスタイルになってくんじゃないかな。
たくさんレイヤーが入っているから、しっかり巻くというよりも少し動きがある感じがいいかもね。
若井
穂高
昔はロングって言ったら胸ぐらいで、その長さを超えたらスーパーロングになって、ロング料金を頂いていたこともあったよね。けっこうな長さがあるのにミディアムって呼んでいたこともあったけど、レイヤーが流行ったことで短くする人が増えてきて、今はまた胸くらいがロングに戻ってきている。呼び方が変わるっていうのもトレンドのひとつなんだろうね。
僕たちが話す日本語と同じで変化していくものなんですね。
浅沼
穂高
2024年春夏は、どんなカラーがトレンドになると考えていますか?
毎年定番の透け感のあるカラーや明るい色味はやっぱり流行ると思います。髪色はファッションとも関係しているから、今季トレンドカラーのオレンジ、グリーン、ブルー系のトレンドカラーに合う髪色だと考えた時に、明るめのベージュは透明感があって、すごく合うしカワイイんじゃないかなと思っています。
若井
RUI
僕の推しカラーはプラム。青みが入った紫系のカラーで、ツヤ感があって血色感のあるメイクにもなじみますよ。ネイビー系カラーのオーダーもかなり多く、地毛のように重くはなく自然な暗髪で、自然光に当たった時に軽さが出るのが人気。カラーが落ちた時に赤みも取れて透明感もでるので、春夏におすすめです。
春夏は毎年淡い色が人気でるもんね。例年と比べるとどんな違いがでてくると思うかな？
穂高
浅沼
日本人の毛質って赤みが強いじゃないですか。その赤みを消すためにブリーチをして、その上にシンプルにベージュをのせるというよりも、他にもブルーやラベンダーとか様々な色の要素が混ざったベージュが流行るんじゃないかな、と。カラーが抜けていってもシンプルな茶色にならず、日本人っぽくないようなベージュが流行るんじゃないかなとは思ってます。
季節的にはずせない要素や毛質の問題はあるよね。あと、カラーリングはメイクのトレンドが深く関わってくる傾向があるから、メイクもチェックするのがポイントだと思うな。
穂高
穂高
春夏メイクはどんなトレンドになると思いますか？
今までは韓国メイクで流行っていた大粒ラメをみんな取り入れていたけど、少しずつ繊細なラメに移行していますよね。
MANAE
若井
ギラギラした感じよりも細かいラメが入ったコスメはすごく可愛い！まばたきした時に、濡れているように見えるラメもいいですよね。
定番化したカラーメイクにも、繊細なラメを使いながら透明感あふれるメイクになってくると思います。私は今回の作品ではピンク系メイクで、マスカラは少し抜け感のあるブラウンにして、カラーと透明感を意識しています。ヘアカラーのように、ブラウンの中にも色味の要素があるメイクが増えてくるんじゃないかな、と。
MANAE
若井
リップやチークを取り入れてくる子が多くなってくると思います。でも、しっかりチークを入れるというよりも、ちょっと血色を出すぐらいのふわっとした入れ方が流行ってくるんじゃないかな。
わかる！この撮影をしている秋冬にも、割と頬の高い位置からチークを入れるようになってきたから、2024年の春本番頃にはしっかりチークを入れるのがトレンドになるかもしれないよね。少し前まで流行っていたノンチークも、春夏には古く見えちゃいそう。トレンドが一周した感じはあるよね。
穂高
MANAE
大人の女性がしっかりチークを入れるのは少し抵抗があるかもしれませんが、マスクを外す機会も増えたので薄めチークで入れそうですよね。
少し前まではヘアとメイクを対比させていたけど、最近の傾向としては同系統で、例えばカラーとメイクをそろえて暖色系にしたりするようになったよね。そういった意味では、トレンド予測がたてやすくなってきていると思うな。
穂高
穂高
男の僕が分からないのは、ファッションのトレンドなんですよ…。ここはぜひとも教えてほしい！今回の作品は、どこか肌が出ている衣装が多かったですよね。シアー素材をとりいれたり、背中や脇腹を肌見せしたりするファッションが流行るんでしょうか？
昨年は、脇腹を大胆に肌見せするファッションがとても流行っていたので、2024年春夏も引き続き継続すると思いますよ。
愛美
穂高
全体的な流行としては、肌見せが加速するのかな？ギャルに寄っていく感じ？
肌見せは加速しても、系統的には落ち着いてくるんじゃないかと思います。Y2Kのようなファッションではなくて、スカートだったら深めのスリットとか、首元はつまっているのに背中はけっこうあいているトップスとか、ポイントで肌見せになると思います。お腹をチラ見せすることに抵抗がある人も多いと思うので、さりげない肌見せであれば、少し年齢層が上の人でも取り入れやすいと思いますよ。
愛美
穂高
なるほど。Y2K推しのRUI君はどうかな？
ぐぬぬ…（汗）。
Rui
穂高
みんな同じトレンド予測にならなくて大丈夫だよ（笑）。それがおもしろいんだから！
僕は韓国アイドルからトレンドの情報収集をするなかで、今後もY2K系のトレンドを生かしたデザインが継続しそうだな、と。今回は、へそ出しトップスでしっかり肌見せをして、大きめシルエットのデニムを合わせました。
Rui
穂高
なるほどね。浅沼さんは、タイト系のかっこいい感じの衣装だったね。
ふわっとしたやわらかいファッションとヘアスタイルが数年続いていたので、そろそろかっこよさが求められるんじゃないかと思って。ファッションのトレンドも、今回の衣装のようなかっこいい感じが流行るんじゃないかなぁ…なんて。うーん、自信はないんですけど（苦笑）。
浅沼
穂高
僕たち男性としては、そのトレンドがきてほしいなっていう願望をこめて模索している感じだよね（笑）。MANAEさんはどう思う？
しっかり肌見せをするスタイルと、今日の私が着ている服みたいに首元まで詰まったトップスに、透け感のあるチュールを合わせてレイヤードするようなファッションが流行る気がしています。パンツが重なっていたり、バストのアンダーにロゴが入ったトップスだったり、レイヤードアイテムが増えてると思います。
MANAE
若井
レイヤード、流行りそう！袖からレースを出すのもポイントになってかわいいですよね。
女性のファッションは奥が深いよね。僕はトップスをパンツにインする感覚が長らくなかったから…なかなか受け入れることができない（苦笑）。オシャレなお店に行くと、店員さんがインしてるんだよねぇ。
穂高
浅沼
わかります！若い衆はみんなインしてるんです！僕もできない…。
一歩間違えるとオジサンみたいになるから、それがおそろしいです（汗）。
Rui
穂高
提案したヘア以外にも、トレンド予測のためにしていることやポイント、春夏流行ることがあれば教えてもらってもいいかな？
僕は、韓国アイドルのヘアを参考にしているんですけど、今は顔周りにいかに印象を持たせるのかが大事になっていると思うんです。お客様の顔に合わせて、印象づけるカットラインがひとつだけではなく、ふたついれるのもアリであれば入れて似合わせています。
Rui
穂高
トレンドと似合わせは、バランスが大事だよね。今流行っている「姫カット」なんて5年前ぐらいに提案しても個性的って言われちゃう。でも、今はおしゃれに見えるわけで。結局のところ、“似合う似合わない”とは別に、“時代やトレンドに合っているか”っていう軸がある。そこを引き出してくれたら似合わせ上手な美容師になるよね。してくれたら似合わせ上手な美容師になるよね。
韓国ヘアとは別に、海外のレイヤースタイルって昔っぽさを感じることないですか…？
浅沼
穂高
分かる！あのままだとサスーンカットの印象が強いから、日本人に落とし込むためには少しやわらかくした感じがいいんじゃないかな。僕の予測したスタイルみたいに、昔のロングウルフよりもトップが丸めでウェイトが高く、すその髪を毛量調整で仕上げる「クラゲ」みたいな感じ。表面の毛は、グラデーションが入ってるような感じがいいかなって思ってるんだよね。
技術が出るスタイルですよね。
浅沼
若井
韓国でも見かけるようになってきたと思います。
このスタイルの場合、しっかりしたメイクではなくて、エフォートレスな感じがおしゃれだよね。でも、若井ちゃんも話してくれたけど、海外の方の流行りをそのまま落とし込むのはだめだよね。
穂高
若井
難しいですよねぇ（涙）。海外の人はクセをそのまま生かすヘアが成り立つんですが、日本人でくせ毛を生かそうとするとクシャクシャではなくてボサボサになっちゃいますから。
最近では、ドライヤーで乾かすだけというお客様も増えているくらいだから、スタイリングも気になりますよね。
MANAE
浅沼
そうそう。少し前まではコテで「Jカール」や「Cカール」を意識して巻いていたけど、ここ1～2年で巻かなくなってきたよね。
レイヤーがあって、抜け感を出して、スタイリングはあまり巻かない…となると、それはブローがポイントなんじゃないかなと思っているんだけど、どうかな？美容室でも、ロールブラシにもっとバリエーションがあってもいいと思うし…みんな自宅ではどうしているんだろう。
穂高
浅沼
お客様からの話だと、手軽なくるくるドライヤーを使っている印象が大きいです。
なるほど。自宅でも簡単にCカールをつくれるブラシ型アイロンとかがあれば流行るかもしれないよね。
穂高
MANAE
流行りそうですね！お客様もやりやすいと思いますよ。
今日もたくさんいろいろお話できましたね。ヘアのトレンドは、服のシルエットやメイクのトレンドと関係があるので、今後も情報をピックアップして最先端の情報を発信できたらと思っています。ヘアアレンジもヘアアクセが主役でつくるスタイルが増えてきています。Violetでもいろんなかわいいアイテムをそろえているので、ぜひご覧頂ければ嬉しいです！
穂高
Photo: Yu Kumaki
Styling: Aino Masaki
Text: Okamoto Hana